「ボトムアップ理論」の真髄にせまる!畑喜美夫氏講演会開催!!

聴講者参加型の講演会!

12月22日(日)、花巻市のなはんプラザで畑喜美夫さんの講演会を開催しました!

当日は、市内外から約60名の方に参加いただき、「ボトムアップ理論」を中心としながら、
畑先生にいろいろなお話をしていただきました。

 講演会は、畑先生のお話だけではなく、映像を見ての感想やスポーツの現状などを参加者同士でシェアし合う参加型の講演会。

「ボトムアップ理論」の大事な点を聴き逃さないようスライドを写メする参加者の方も多く、
和やかな中にも真剣さの漂うすばらしい講演会でした。

 

 

 

トップダウンとボトムアップの融合

畑先生のお話はどれもが傾聴に値するすばらしいものでしたが、お話の中から何点かピックアップして紹介してみたいと思います。

 

「ボトムアップ理論」というと、ぼんやりと「ただ選手に任せれていればいいのかな・・・」と考えてしまいがちですが、

畑先生によれば、

「指導者(トップ)があるべき姿を示し、
そのあるべき姿を実現するためにどうしたらいいかを選手に考えさせ、
選手の考えを指導者は承認することで、選手のやる気が生まれ、
自分たちで考え実践していく好循環が生まれる。」

のだそうです。

 

つまり、トップダウンとボトムアップの融合が図られることにより、チームは成長し、強くなっていく・・・

このことが、結果として公立高校である広島観音高校のインターハイ制覇につながるとともに、
広島県で4部リーグだったこれも公立高校の安芸南高校を、短期間で1部リーグへと導くベースとなっています。

 

畑喜美夫先生のyoutube動画「畑喜美夫チャンネル」から

 

 

 

やらされるクラブ(組織)とやるクラブ(組織)

これは、スポーツの世界に限ったことではなく、民間企業や行政、自治会などの組織にも当てはまります。

経営者や幹部主導の<上意下達>が事業内容を決定し、
指示・命令によって、構成員に従わせる管理方式の組織か・・・

現場主導<下意上達>の
意思を吸い上げて意思決定がなされる方式の組織か・・・

 

トップダウンも全否定するものではないですが、畑先生によると、

●「トップダウン」と「ボトムアップ」は、バランス的に「2:8」から「3:7」くらいがちょうどいい。

●「ボトムアップ」による構成員の自主性や創造性が、組織を強くする。

とのことでした。

 

みなさんの職場や組織でも考えて欲しいのですが、畑先生によれば、

「やらされるクラブ(組織)」とは、外発的動機づけから行動し、
そのキーワードは・・・

「嫌い」
「つまらない」
「怒られる」
「マンネリ」
「カネ」
「罰」
「評価」
「比較・優劣を気にする」

など・・・

 

一方で「やるクラブ(組織)」とは、内発的動機づけから行動し、

「好き」
「楽しい」
「面白い」
「ワクワク」
「より良くなりたい」
「上手くなりたい」

などのキーワードがある・・・とのことです。

 

みなさんの組織はどうですか?

どちらが構成員(選手)の力が発揮できますか?

 

これは、畑先生の講演にはありませんでしたが、
心理学者のデシ(Edward L. Dec)は、1971年に行った実験を分析した結果、外発的動機づけと内発的動機づけについて、

「報酬や競争、脅迫や指示命令といった外部環境による動機付けは短期的に見ると効果があるが、長期的に見ると効果がなくなる」(アンダーマイニング効果)

「自分はできるといった有能感や自分の意思で行う自立性、
他者との結びつき、
他者からの承認などの関係性がある状態での内発的動機付けは、
やる気を高め、強いモチベーションとなりうる」(エンハンシング効果)

と発表しています。

 

まさに、畑先生のお話そのもの。

トップダウンは短期的には効果があがるものの、長期的にみれば構成員のモチベーションを下げ、結果がでてこない・・・

この社会でもそういう実例がたくさん見受けられますね。

 

 

一流と二流、三流の違い

畑先生が指導していたクラブや、畑先生がかつて在籍していた学校の授業では、あいさつがしっかりしていて、靴やカバンなどがきっちり整理整頓されていたんだそうです。

これは、畑先生のトップダウンによる指示・命令ではなく、生徒が自主的にあいさつを行い、整理整頓に心がけているのだそうです。

 

畑先生は講演の中で、良い樹は必ず細かい根が地中に張っていることを例に挙げ、

「根のように、
目立たない、
褒められない、
評価されない、
ついおろそかにしがちなことをしっかりやっているからこそ、
樹は自然に成長し大きくなる」

と話されています。

 

つまり、結果(試合・テスト)だけしっかりやるのではなく、
その前の準備(練習・授業)はもちろんのこと、
普段の日常生活(あいさつ、整理整頓、ルール・マナー)が大事だということです。

そして、

「結果だけで行動する人」を三流、

「準備をして結果を出そうとする人」を二流、

「日常生活から整え、準備をし、結果を出す人」一流

と呼んで、日常生活の大切さを訴えています。

 

 

 

「ボトムアップ」が当たり前の社会に・・・

他にも様々な参考になるお話があってすべては紹介しきれませんが、
興味のある方は、畑喜美夫先生の著書やホームページなどを、ぜひ、ご覧ください。

いずれ、この令和の時代になっても、
スポーツの世界では「体罰」「言葉の暴力」はなくなりませんし、
組織でも「パワハラ」「モラハラ」が万延しています。

 

今回、この企画を立ち上げた「結学舎・ノーザンライズ」のスタッフは、
誰から指示されたわけでもなく、

「この地域の課題解決のためには畑先生のお話を聞いていただくしかない!」

という自らの意思で行動しました。

ほかのスタッフはその考えに賛同し、チームで意見を交わしながら講演会開催までこぎつけました。

まさに「ボトムアップ理論」

 

これからの社会は、

「自分で考え、行動していく人財」

が求められています。

 

今回の講演会では、居眠りをしたり、上の空で聴いている方は誰ひとりとしてなく、
参加者のみなさんが自分ごととして捉え真剣に聴講していました。

そういったみなさんの熱意が、
「トップダウン」が万延している社会を
「ボトムアップ理論」が当たり前の社会に変えていくはずです!

 

今回は本当に貴重な講演会となりました。

畑先生、参加していただいたみなさん、本当にありがとうございました!!