人を伸ばす「驚く力」。人生を明るく、クリエイティブに生き抜くための道しるべとなる１冊
「驚く力」 名越康文著（夜間飛行）
突然ですが皆さんは最近、「驚いた！」という経験はありますか？ちょっとここ数年ぐらいを振り返ってみてください。年齢とともに、だんだんと何かに驚いたり、衝撃を受けたりといった経験が減ってきてはいませんか？
そんな問いかけで始まる本書。改めて問われると、ドキッとしてしまいませんか？
“世界は本来、驚きに満ちている”のに、なぜ時に退屈や倦怠感を覚えながら日々を過ごしているのでしょう？それは、僕ら自身が、日常で出会うあらゆることに「ラベル」を貼って生きているからだ、と著者は言います。そして、絶え間なく変化する世界に「ラベル」を貼って安心しようとすることは、生きていく上では必要な能力だけれど、それに囚われるほど「驚く力」は失われる…「驚く力」は、“人が学び、成長していく上で決定的な役割を果たす、生命力の源といってもいいような、大切な力”であり、“能力”だと言っています。
本書には、さえない毎日から抜け出す６４のヒントとして、「身体感覚」や「心の速度」への意識、「第二の所属」を作ること、「知的無駄話」のすすめなど、たくさんのアプローチが紹介されています。こどもの頃のようにすべてに驚きを感じるようにはなれなくても、まだまだ学び、成長することができそうに思えてきます。
(2017/11/28)