息をのむ、美しさ。
「一瞬の宇宙」 KAGAYA著、河出書房新社
著者KAGAYAさんは世界的にも有名な方ですが、KAGAYAさんが作制されたプラネタリウムや画集などの「銀河鉄道の夜」シリーズはとても人気が高いそうです。
花巻イーハトーブ大使でもある方で、特に花巻ではファンも多いのではないでしょうか。
先月出版されたばかりのKAGAYAさんの初のフォトエッセイ「一瞬の宇宙」ですが、撮られている景色、空、宇宙の写真の数々がとにかく美しいのです。その美しさは、まるでこの世のものとは思えない、別次元のように思えます。
ウユニ塩湖の天の川、八王子のスーパームーン、南極での皆既日食、ニュージーランドでのオーロラ…etc.
東京の景色でさえも、KAGAYAさんの瞳には私たちが普段目にしているものとは、全く違うものに映っているのではないかと思ってしまいます。
「星景写真家」としての肩書きをお持ちのKAGAYAさんですが、撮影の旅の様子や幼少期からのエピソード、そしてそれらの美しい奇跡のような写真の数々はどのようにして生まれたものなのか…などなど、KAGAYAさんの世界をより深く知ることができる一冊になっています。
そして、少し難しい漢字にはルビが振ってあるので、小学生の高学年くらいのお子さんから読めるようになっているのも嬉しいところです。
普段、なかなか見上げることのない空
これはわたしがいつも情報発信をするときに添える言葉です。 (“はじめに”より)
KAGAYAさんは、そんなふうに書かれています。
思えば、もうずっと長い間、「空を見上げる」ことなんてない気がします。
あるとしても、雨が降りそうだな~とか、子どもと星の観察のため、なんてときぐらい。
折しも、昨日は日本の一部で皆既月食が見られる日でした。
そして今、夜空には夏の大三角形が見られますね。
こと座の「ベガ」、わし座の「アルタイル」、はくちょう座の「デネブ」の3つの明るい星でできています。
忙しさの中、ちょっと手を休めて、足を止めて空を見上げてみると、思わぬ美しい景色に心が癒されるかもしれません。
(2018/7/29)
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