コミュニケーション能力に直結している、脳の「ある部分」を活性化させる方法は?
「なぜ僕は、4人以上の場になると途端に会話が苦手になるのか」 岩本武範著(サンマーク出版)
上司や同僚に自分の意見を伝えることはできるし、気の合うやつとなら話は盛り上がる。人と話すのが特に苦手なわけではない。 では、その「複数」とは、何人くらいからでしょう。 ~「はじめに」より
でも、「なんか複数の場って苦手なんだよな~」。
なんとなくそう感じたことって、ありませんか?
1対1で立ち話をしているときに、もう1人増えて「3人」になっても、あまり変わらないかもしれません。
ところがさらに1人増えて、「4人」になるとどうですか。
急に「集団っぽく」感じてしまう。
いつの間にか聞き役に回っている。
思うように言いたいことを言えない・・・・・・。
そんな場面、心当たりないでしょうか。
そんなことないよ、と思った方は、「大家族で育った」もしくは「第2子以降生まれ」の方ではないでしょうか。
そういった方は、まわりにたくさん人がたくさんいる環境で育っていて、
“話す”のに脳が「慣れている」からだそうです。
そういわれてみると、例えば江戸時代の長屋に住む人達はなんかは、いつも井戸端会議(!?)、
「4人以上になると話せなくなる」なんてことはなかったのかもしれません。
現代は核家族化が進み、ひとりっ子も増えていますし、
複数での会話になると脳に負担が増えて、苦手意識がめばえてしまいやすいのでしょう。
つまり、コミュニケーション能力の差は、育った環境によってついた脳の処理能力の差であって、
それは脳の「ある部分」を活性化させることでコミュニケーション力を上げることができるというのです。
「新しい脳」と「古い脳」
脳には「新しい脳」と「古い脳」がありますが、
新しい脳は、「前頭葉」という言語をつかさどり、理性をコントロールするところで、
これこそが「会話脳」だといいます。
かたや古い脳というのは、「大脳辺縁系」がある部分で、より本能的で、感情的なものをつかさどっているところです。
それなら、会話を弾ませるためにはいわゆる「会話脳」を活性化させればいい、ということになります。
ただ、やっかいなのは、
「不快に感じる」などで古い脳が優位になって感情的になった場合、
新しい脳の働きを抑制してしまうため、適切な会話ができなくなってしまう、という事態に。
では、どうすればいいの?
たくさんありすぎて、どれをご紹介すればいいか迷いますが、
ポイントは「前頭葉」の血流をよくすることで、
簡単なのは、手のツボ押しや指回し。
これを数十秒間するだけで、前頭葉を活性化すことができるのだそうです。
(ただし、疲労すると古い脳が活性化するので、やりすぎには注意!)
あと、すぐに役立つのは、会話をはずませる食べ物。
複数での飲み会で、おつまみは「枝豆」、
食事や打ち合わせには、「レモンティー」がおすすめのようです。
その他、話を振られやすい席のポジションや、着てはいけない色の組み合わせなど、
「いかに古い脳を刺激せず、新しい脳である『前頭葉』をできるだけ活性化させることができるのか」というアプローチが満載です。
と、ここで、ふと。
もしかすると本書は、
「なかなかそんなホンネ、言えないよな~」ってことを代弁してくれていて、
古い脳を安心させつつ・・・、
いつのまにやら、すんなりと「4人」の壁の乗り越え方が伝授される仕組みに、
なっていたのかもしれない、と・・・
今、思いました(笑)
(2018/9/23)
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