「子どもが『やる気』になる質問」 TERACCOの本棚 -2-

親子がお互いに成長するための「質問」― 子どもの本当の気持ちやエネルギーを引き出す方法

「子どもが『やる気』になる質問」 マツダミヒロ/本間正人著(PHP研究所)

著者の一人、マツダミヒロさんは「質問家」として活動している方です。この本では、「質問」を親子が一緒に考え、お互いに成長するためのものとしています。
著者が提唱する、質問をするうえでの心得は3つ。
【心得1】質問に対する答えはすべて正解…これは「ダメ」という答えはひとつもない
【心得2】答えは全部受け止める…「そうだよね」とまず受け止める
【心得3】答えはでなくてもいい…必ず答えを出さなければいけないという思い込みを捨てる

一般に、親から子どもに対してのコミュニケーションは、「指示」「命令」「詰問」になりがちです。しかし、指示や命令、詰問は、子どもの選択肢を『減らす』ことになるのです。
いっぽう、質問は選択肢を増やし、子どもの世界を『広げる』ことができます。
これから紹介する質問は、子どもの創造性(クリエイティビティ)や、想像力(イマジネーション)、さらには本当の気持ちやエネルギーを引き出す効果のある、親子コミュニケーションのカギなのです。
各章では、「前向き思考がクセになる質問」や「『やる気』にはずみがつく質問」など、親子のコミュニケーションのカギとなる「質問」がたくさん紹介されています。
例えば、「今日楽しかったことは、なにがあった?」という質問。このように問いかけられると、たとえ他に何か心にトゲが刺さったように感じる出来事があったとしても、視点を変えて、楽しかったことのいろいろが頭の中に映像として浮かび、心身ともに元気になってくるといいます。
これを、「今日、楽しかったこと、なにあった?」と質問すると、「なかった」という答えが返ってくるかもしれない、「なにが」と「なにか」のたった一文字の違いだけれども、「なにがあった?」というのは、楽しいことがあったということを前提にして、その中身を聞く質問になっているので、聞かれた人は、「楽しかったことを探し出そう」という気持ちになれるのだそうです。質問の奥深さを垣間見た「質問」でした。
まずは、気になった質問ひとつからでも試してみると、いつもと違う世界が見えるかもしれません。 
(2017/12/1)

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