地域づくり支援について~湯本地区コミュニティ会議~

結学舎では、花巻市をはじめ、各市町の地域団体(コミュニティ組織、自治会等)の地域づくりを支援しています。

今回は、花巻市湯本地域の湯本地区コミュニティ会議についてご紹介します。

 

湯本地区は、花巻市の北西部に位置し、花巻温泉、台温泉など観光資源に恵まれるとともに、花巻第1工業団地、同テクノパーク、花巻第2工業団地をはじめとする工業の集積地帯です。また、稲作を中心とした農業も盛んです。

人口は約6,800人、世帯数は2,600戸(平成30年9月現在)で、神楽などの伝統文化、史跡などの郷土資源も豊富であり、文化的な活動も行われています。

結学舎は、平成30年度から湯本地区で支援活動をしており、3年目の今年は、「ゆもと市」や「スノーシアター」の開催など、コロナ禍にもかかわらず独自のイベントを開催し、目に見えるような成果がでてきています。

   

湯本地区未来会議の立ち上げ

もともとは、平成30年度に市の地域づくりサポート事業を活用し「湯本地区未来会議」を立ち上げたことに端を発します。この未来会議の話し合いの中から人材の育成や賑わいの場の創出など4つのプロジェクトが生まれましたが、2年間は話し合いが中心でなかなか実行に移すことができずにいました。

どこの地域でもそうですが、アイデアはでるものの実行に移すのは難しく、だれがやるの?お金はどうするの?と話していくうちに、実現の可能性は薄れていきます。また、少数の人だけで盛り上がり実行したとしても、ついてくる人がいなければ尻すぼみになる・・・そんなイベントもかなりあります。

湯本地区の方々も熱意はあるけれど、どうやってプロジェクトを実行したらいいかわからない・・・。そんな2年間が続いていました。

そんな中、令和元年度まで湯本小学校の校長先生だった片野正喜先生が、湯本地区の子供たちのために、湯本小学校で保護者を巻き込みながら様々なイベントを実施しました。例えば壊れた自転車を修理する「町の自転車屋さん」、寒い冬の夜、屋外の雪面に映写して子供たちが映画を鑑賞する「スノーシアター」、湯本地区の文化祭では子どもたちが自分たちでPOPをつくり地区の方々にコメを販売するなど、子どもたちへの職業体験も行いました。

そんな片野先生の姿を見て、保護者の中からも「自分も子どもたちのために何かやりたい」という気持ちが芽生えてきました。

「まずはやってみる」

片野先生は令和2年4月に二戸市の石切所小学校へ転任されましたが、湯本小の保護者には「片野イズム」がしっかりと根付いていました。

 

ゆもと市の実施

そして令和3年度、この未来会議をどうするか話し合いをする中で、何か一つでもまず実行しよう!と機運が盛り上がりました。結学舎では、先進地等視察しながら賑わいの創出のための「マルシェ」的な「市」の開催を提案しました。

未来会議のメンバーも、コロナ禍でも感染症対策を講じて「市」を開催している「雫石軽トラ市」にお邪魔してお話を伺うなどの準備を進め、11月15日に「ゆも市」と題して開催することになりました。

しかしながら「ゆもと市」の開催を決定してから開催日まではわずか2か月の期間しかありません。未来会議のメンバーもこういった「市」を開催した経験がなく、「チラシなどによる周知」「出店者の募集、配置」「コロナ感染症対策」など山積みの課題に対し、メンバー間の意見が対立したこともありました。

それでも、毎週のようにひざを突き合わせながら、これまで湯本地区を支えてきたベテランの方から、コミュニティ活動をしたことのない若い方まで真剣になって、「湯本地区に賑わいをつくりたい!」という気持ちで、ひとつひとつの課題をクリアしていき、ついに「ゆもと市」の開催日を迎えました。

ゆもと市の開催

ゆもと市当日、朝は氷点下の寒さでしたが晴天にも恵まれ、原則として「湯本地区にお住いの方」に周知したにもかかわらず、当日は約800人を超える方々が来場しました。

地元の青果物、お菓子などの加工品、焼き鳥や餃子、などバラエティに富んだ出店内容で来場者の方も大変満足いただいたようでした。ほかにも花巻農業高校からもジャムやジュース、味噌などを販売していただきましたし、市外からも「神子田の朝市」「雫石軽トラ市」などから紹介を受けて出店していただきました。また、地元の方々のフリーマーケット、子どもたちの遊び場も盛況でした。

本当に大成功といえる「ゆもと市」。

これも、湯本地区の皆さんの熱意とまずやってみよう!という勇気、そしてベテランの方々と若い方々のセッションによる化学反応という要素が見事に絡み合った結果だと思います。

 

スノーシアターの実施、そして今後に向けて・・・

こうして、「ゆもと市」は大成功したわけですが、未来会議のメンバーは「ゆもと市」の成功に満足することなく、2月23日には「スノーシアター」のイベントも開催しました。

これは昨年度、片野先生が中心になって実施したイベントですが、今回は未来会議のメンバーが会場づくりから作品の選定、上映、コロナ感染症対策と段取りしながら実施し、当日は小雪が横風とともに舞う天候でしたが、小学生児童を中心に約100人の方々が来場し、雪のイベントを楽しみました。

令和2年度は、このようにイベントを中心に実施した訳ですが、おそらく来年度以降もこのようなイベントを実施していくことと思います。

また、未来会議のメンバーは「イベント」にとどまらず、4つのプロジェクトに関連した新たな事業を実施していく熱意を持っています。

特に20年後には湯本地区の子どもたちが3分の1に減少するという推計もあり、人口減少対策とそれに伴う環境整備は喫緊の課題といえます。

そのためには外部の人材と交流しながら、湯本地区の魅力を内外に発信していくことが重要です。引き続き結学舎では、湯本地区のこれからを見守り支援していきたいと考えています。