夏のKIFUN体験塾レポートも今回が最終回。
前回は、いきたいところだけ決まった「遠足プロジェクト」について掲載しました。
さて、この遠足プロジェクトをどう収束させるか、いろいろと考え、結局「釣り」と「プール」を両立させる場所を決めることにしました。
本当は子どもたちに決めさせたかったところですが、たぶん、それだけで一日かかってしまうので、しょうがない、楽しみ優先で、こちらで決めてしまいました。
その場所とは、「盛岡」。
高松の池釣り堀 ⇒ ゆぴあす というルートです。
これなら、電車に乗って、バスにも乗って、途中で分かれて、また合流して帰ってくることができる!
我ながら「神が降りてくる」レベルのチョイスです。
さて、8月10日。
FMはなまきさんから電話。
「どちらに行かれることになったんでしょう?」
「盛岡です!」
「盛岡ですか!!・・・・・でしたら、行く前と行ったあとの取材させてもらってもよろしいでしょうか?」
「(すみません、盛岡なんかにしてしまって)よろしくお願いします!」
という感じで、TERACCO8時50分出発。
9時19分盛岡行きの電車に乗らなくてはいけません。間に合うかな・・・。
FMはなまきさんも歩きながら取材です。
花巻駅9時10分到着。よしよし、まだ時間はあるぞ。
「さあ、切符かってみよう!」
事前に今日かかる旅費とおやつ代を渡してあります。(本当はこれも自分たちでやらせたいところなんですが)
「きっぷ買ったことありません!」「どこ押したらいいの?」
そうでしょう、そうでしょう。公共交通機関なんて使わないもんね。
「はい、盛岡行きの670円のところの子ども料金のところ押して。」
「えーどうやるのー」
ちょっと焦ってきました。一般の方も並んでるし。スタッフ合わせて12人分のきっぷ買うのって結構かかるのね。
「買ったら横に抜けるっ。待ってる人いるでしょ!」
花巻駅構内に響く声。
やっとこさ、3分前に購入終了。よし、ホームへ急ぎます。
「まてー。個人行動しなーい!」
きっぷ買ってしまったら、走り出すこどもたち。こりゃ、先が思いやられるぞ。
「個人行動しないこと」「人の迷惑になる行為はしないこと」「走らないこと」
繰り返し言い聞かせて電車に乗り込みます。
よく話をきいたら、確かに電車に乗る機会は少ないとのこと。ディズニーランドに行くとか、新幹線はよく乗っているようですが。
こうやって電車にのるのも社会勉強。揺られながらいろんな話をしている間に盛岡駅到着。
松園行きのバスに乗り、高松の池⇒ゆぴあすを目指します。
高松の池到着。ここでAチーム下車。
Aチームは高松の池の淵をゆっくり歩きながら、釣り堀に向かいます。
ちなみに、この日は、釣竿を5本用意。準備万端と思って、釣り堀についてみると、雰囲気がなんか違う。
「釣り堀、本日休園です!」
えー!!!!!!!!!!!!
なんてこった!!!!!!!!
そうだった、確かゆぴあすは「8月中は休みません!」って休館日確認してたのに、釣り堀はまさか休園とは・・・。神が降りてきたのは勘違いだったか。
「どうするの?」
「チューターのせいだ!」
非難轟々(ごうごう)の嵐です。
盛岡市中心部で釣りが出来るところって・・・おまけに公共交通機関でいけるところ・・・。
スマホで検索してもなかなか出てこない。
落ち着け。47年のキャリアで考えてみろ。(ちなみにこの日47歳の誕生日)
「盛岡、池、湖、川・・・・中津川!」
中津川なんて上の橋とか中の橋からしか見たことないし、釣りしてる話は聞いたことあるけれど、何が釣れるのか、お金がかかるのかわかんない。
でも、せっかく釣りをしに来た子どもたちに釣りさせなきゃ帰れない!この一心で決断しました。
「ようし、中津川行くぞ」
踵を返して、バス停に向かいます。運良く盛岡バスセンター行きのバスが。
料金も確認せずにバスに乗り込み、盛岡市役所前下車。
盛岡県民会館側の与の字橋から中津川を除くと、釣り人なし。しかも国交省とおぼしき団体が工事中。
こまったぞ。こりゃ。
としたところ、釣りマスターのN君が
「この近くに釣具店あるよね」
本当か?よし、ついていこう。
3分くらい歩くと、プレハブで仮営業の釣具屋さんが確かにある!
「ここで釣ってもいいんですか?遊魚券とかは?」
「ここは遊魚券いらないですよ。餌はそこらへんにいる川虫とかみみずとかで釣れますよ」
うぉおお、ラッキー!神降臨。なんとか、釣りをすることができてほっと胸を撫で下ろしました。
子どもたちも釣り準備をはじめ、釣り開始。
3時間で1匹という釣果だったものの、偶然通りかかった犬と戯れたり、ルアー釣りを楽しんだりして、自然を満喫する時間を過ごしました。
さて、いっぽう「ゆぴあす」組は、流れるプールを満喫し、無事、帰還とおもいきや、ここで落とし穴が・・・。
松園バスターミナルで盛岡駅行きのバスにのったはずだったのに、松園を周遊し、また松園バスターミナルに戻ってくるというミステリー。
結論としては、バスを乗り間違えたのですが、初めてのところはやっぱりむずかしい。
そんなこんなで時間をオーバーして花巻に帰ってきました。
まずは無事に、怪我なく帰ってきたことをよしとしましょう、と言いたいところですが、相変わらずの「現場力」でなんとか対応したものの、計画性とか正確性とか、やはりいろんな意味で大いに反省しなければなりません。
帰りの電車で「チューターの体験塾になったね・・・」とYちゃんに言われた言葉がズシンと胸に響くのでした。
とはいうものの、子どもたちにとってはいい経験になったのは間違いありません。
はじめて釣りをしてみた子。ゆぴあすに行ってスライダーを体験した子。電車で高齢者に席を譲った子。バスの中でいろいろな人と会話した子。
ディズニーランドのような「非日常」ではなく、自分たちが暮らしている「日常」とは違う「日常」がある。
今回の遠足は、一言で表現するならば、そんなことを体験した遠足という感じかもしれません。
思えば、この1週間、違う学校の児童とふれあい、地元に住んでいながらよく知らない場所を訪ね、そして先人から学び、こちらが思うような結果は引き出せなかったものの、コミュニケーションや合意形成も勉強しました。
お金を出せば、ディズニーランドのような「非日常」を体験できます。
またはポケモンGOに代表されるバーチャルリアリティも気軽に体験できるようになりました。
それとは違った意味での今回の「体験塾」。
今回の「体験」の成果は、学校のテストのようにすぐに形に現れてくることはありません。
もしかして、因果関係すらわからないまま、子どもたちは成長していくのかもしれません。
それでも、間違いなく、子どもたちが10年後、20年後に自分で考えて、生き抜いて、行動していく力の糧になったと信じてやみません。
参加してくれたみんな、本当にありがとう。
保護者のみなさん、講師先生、ボランティアの方々、スタッフの方々、本当にありがとうございました。
また、冬にも体験塾を開催する予定です。
またよろしくおねがいします。