第2回「花巻市のスポーツを考えるワークショップ」レポート

 

1月22日(月)、第2回目の「花巻市のスポーツを考えるワークショップ」を開催しました。

今回も、スポーツ団体の関係者、地域団体(コミュニティ会議)の関係者、スポーツクラブの方々などにお集まりいただき、花巻市のスポーツが抱える課題とその解決に向けたアクションプランについて、2時間、熱い話し合いが行われました。

総合型地域スポーツクラブとは???

まずは、第1回目に話し合った花巻市のスポーツの課題について、振り返りを行いました。

今回は、前回取り上げた「花巻市スポーツ推進計画」に記載されている「総合型地域スポーツクラブ」について教えて欲しいという声が多く聞かれたので、総合型地域スポーツクラブの説明を行うとともに、実際に総合型地域スポーツクラブとして活動している「Sum はなまき」さんに事例紹介をしていただきました。

総合型地域スポーツクラブの現状をまとめると・・・

・ 日本の運動は、戦後「学校体育」として発展してきたが、「体育」モデルは行き詰まりを見せている。
ex) 学校教育としての部活の問題(指導者の育成、指導者不足、顧問(教員)の負担、少子化)
1つの地域・学校でスポーツをする(チームをつくる)ことの弊害(少子化、縦割り)
勝利至上主義(大会で勝つこと)によるバーンアウト(燃え尽き症候群)
新たなスポーツへの対応不足(クライミング、スケードボード)

・ 地域を超えて、「誰でも」「いつでも」「どこでも」やりたいスポーツをできる環境づくりの必要性

・ サロン機能やクラブハウスを備えたヨーロッパのスポーツクラブをモデルとして、国が総合型地域スポーツクラブを推奨

・ 花巻市にある総合型地域スポーツクラブは2つ
(「(一財)花巻市体育協会」さんと「公益NPO法人Sumはなまき」さん)

・ ただし、財源的な問題などもあり、ヨーロッパ型の「総合型地域スポーツクラブ」が機能しているとはいい難い

 

そんな中、Sumはなまきさんは、市が進めている「介護予防・日常生活支援総合事業」のサービスを提供する事業所として、高齢者を中心に運動機能を向上する様々な取り組みを進めているとのことでした。

 

高齢者・障がい者を取り巻くスポーツの課題と解決に向けたアクションとは???

続いて行われた話し合いでは、まず「高齢者・障がい者をとりまくスポーツの課題」について話し合いを行いました。

話し合いの中では、

「高齢者がスポーツをする機会は少ないわけではない。情報提供が不足している。高齢者に限らずスポーツの情報を一本化する窓口があるべきだ。」

との意見や、

「障がい者のスポーツを一般の方も一緒にやる機会をつくるべき」

との意見、

「高齢者の交通手段の問題の解決のために、スポーツの機会を提供する側から出向いて行うことも効果的なのでは?」

という意見も出されました。

高齢者・障がい者のスポーツに関しては、今ある施設や環境の中で、一つのセクション(例えばスポーツの分野)にとどまるのではなく、「福祉」や「健康」、「公共交通」など多岐にわたる分野で横断的に考えなければいけない課題といえます。

市が策定した「スポーツ推進計画」では、横断的な視点が欠けているという意見もあり、担い手の部分も含めて、具体的にどう活動していくのか、課題が山積しているような印象を受けました。

 

若年層をとりまくスポーツの課題と解決に向けたアクションとは???

続いて、「若年層をとりまくスポーツの課題」について話し合いを行いました。

ここでは、

「様々なスポーツの中長期的なビジョンをつくる(行政だけでつくらない)」

という意見や

「幼少期から楽しんでスポーツをするスポーツ好きな子を増やす環境をつくる一方で、スポーツができない子の選択肢もつくる」

という意見

「指導者、保護者、児童・生徒を含めた対話の場をつくり、コミュニケーションを図る」

などの意見も出されました。

もちろん、中学校の部活、小学生のスポ少が抱える「指導者の問題」、「少子化の問題」、「やりたいスポーツと環境のかい離」などの問題は、解決していかなければなりません。

それよりも問題なのは、「課題があるのをわかっていながら行動しないこと」なのではないでしょうか?

 

スポーツ推進計画には様々な事業が掲載されていますが、今回のワークショップで出された課題を解決に導くような事業は示されてはいません。

若年層の問題も、スポーツだけではなく「教育」や「文化」などにも横断的な対応をしなければいけません。
一つのセクションの視点から構成された感があるスポーツ推進計画を超えた、総合的なアクションを起こす必要があると感じられた話し合いとなりました。

 

アクションチームを作って行動に移します!

ワークショップの一つの効能として、「参加者の気づき」があげられます。

2回のワークショップを通じて、参加者はの方々には多くの気づきがあったのではないでしょうか?

ただ、せっかくこれだけのアクションプランが出てきたので、それを「誰かがやってくれるだろう・・・」というのは無責任な感じもします。

 

本来であれば、この「花巻市のスポーツを考えるワークショップ」は3回ワークショップを開催することで計画をしていました。
しかしながら、今回出てきたアクションプランを検討して行動に移す必要があることから、次回以降は「アクションチーム」を編成して、実現に向けて行動しようと思います。

次は、行政の方や体育協会の方にも参加していただいて、一緒になって花巻市のスポーツの課題解決のために本気になって取り組んでいきたい、いただきたいと思います。

 

最後になりましたが、メインファシリテーターを務めていただいた太田さん、テーブルファシリテーターの葛巻さん、菊池遼さん、幅下さん。本当にありがとうございました。

そしてお忙しい中参加していただいた関係者の皆さん、ほんとうにありがとうございました。

みなさんの「思い」が、形になるよう取り組んでいきたいと思います!