一般社団法人を立ち上げる方法~どうして一般社団法人なの?~

こんにちは。代表理事のにたないです。

 

今回は、なんで一般社団法人を立ち上げたのか、について書いてみたいと思います。

前回、株式会社と一般社団法人・一般財団法人、NPO法人の違いについて「ザックリ」と書いたので、なんとなくイメージをわかっていただけたのかなぁという前提で、その中から一般社団法人をチョイスした経緯等について述べます。

NPO法人を断念した理由

実は、最初は「NPO法人」を立ち上げようと思って、退職の時にもその旨上司や同僚のみなさんにお話してきました。

たぶん、その時のイメージは「自分には人脈があるんで、その人たちを頼ってNPO立ち上げればなんとかなるだろう」というものでした。で、退職してからいろいろな方とお話しさせていただいたんですが、その中でなかなか難しいなぁ、という感じがふつふつと湧いてきたのです。

というのも前回お話したようにNPO法人というのは、社員が10人以上必要です。また、理事も3人以上です。ここでいう社員というのは従業員のことではなく、あくまでも議決権を持つ構成員という位置づけです。

そうすると、自分がNPO法人をつくろうと思って社員を集めるためには、当たり前ですがそのNPO法人のミッションに賛同してくれる人を集めなければなりません。これが、総合型スポーツクラブのNPO法人を立ち上げよう!と思ったら、スポーツに関係する人でその理念に賛同する人を集めればいいですし、まちづくりのNPO法人を立ち上げようと思ったら、実際にまちづくりに携わっている人やその研究をしている方などに声をかけて、趣旨に賛同してもらえればいいわけです。

ところが、自分がやりたいと思っていることが非常に範囲が広すぎて、一緒に活動させていただきたいと思っている方に「こんなことやりたいんです!」といってもなかなかイメージがつかめてもらえない感じがしたのです。

よく考えると、それはそうだろうなぁと思います。

「結学舎」のミッションでもある「人財育成」「生涯学習」「スポーツ」「地域づくり」「つながりの場」などの分野については、お知り合いの方々の中にも、それぞれの分野で研究されている識者の方々、実際に活躍されている実践者の方々などがたくさんいらっしやいます。

でも、その方々に社員になっていただき、これらの分野を包括したNPO法人を立ち上げたと仮定した場合、社員の方は自分の得意な分野に関しては、積極的に関与してもらえるでしょう。でも、他の分野に関しては、興味を示してもらえない、もしくは「門外漢だから」などとなり積極的に関与してもらえような感じがしたのです。

 

こうなると、結局、「にたないがやりたいことをほかの人が意見を述べて承認してもらうための団体」になってしまう・・・。

 

確かに社員というのは、単なる議決権をもつ構成員なのだから、それでいいじゃないか。そういう意見もあると思います。そういうNPO法人もあるとお聞きします。いや、そちらの方が大多数がそんな感じなのかもしれません。

でも、そんな「よくある行政機関の審議会」みたいな感じの団体でいいのかな・・・と思ってしまって、NPO法人をつくるのを断念してしまいました。

 

 

株式会社でもいいのでは?

では、株式会社ではどうでしょう。

実は株式会社も考えました。ただ、ソーシャルビジネスを考えたとき、この地域で「利益」を追求する株式会社が受け入れてもらえるだろうか?という心配がありました。

自分が公の立場でしごとしていたこともあって、例えば、市がなにかの事業を共催するとか後援するとか考えた場合、この「非営利」の部分は結構重要なポイントなのです。

それで、とりあえず、一般社団法人とすることとしました。

ただし、あとから教えられて気づいたことですが、各種制度によっては「株式会社」や「個人事業主」のほうが、補助金や交付金をもらえることがあります。

例えば、花巻市では「花巻市中心市街地新規出店者経営支援事業費補助金」という制度があって、中心市街地で新規開業(出店)する人を対象とし、改装費や広告費、借上費など補助率2分の1で上限60万円まで補助してくれるのです。

ただし、この条件として、中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条に定める中小企業者で、商工会議所等の経営指導を受けなければならないのです。

実は、新規開業者としては、初期投資はかなり経費がかかるので、喉から手が出るほど欲しい補助金ではありましたが、

「補助金には頼らねーし」

「経営指導はうけねーし」

という屁の突っ張り(古っ!)にもならない強がりでもって、泣く泣く断念したのでした。

なので、これから起業、開業しようという方は、いろいろな制度を研究して、じっくり取り組まれた方がいいのかもしれません。

余談ですが、例えば、創業・第二創業促進補助金は、2016年度は4月末が締切でしたので、補助金を受けるためにはタイミングも必要です。また、創業者には日本政策金融公庫の新事業融資制度などもあります。いずれも、事業計画や資金計画が大事ですので、お近くの商工会議所や中小企業支援機関(花巻市で言えば起業化支援センターなど)に相談してみたほうがいいと思います。

 

 

で、結局、一般社団法人に

そんなこんなで、一般社団法人を立ち上げることとしたわけです。

社員はわずか2名。でも「自分たちがやりたいことをやりながら、徐々に賛同してくれる社員、一緒に取り組んでくれる社員が増えていけばいいなぁ」と思っています。

また、懇意にさせていただいているたくさんの方と、いろいろな分野ごとにコラボレーションしたり、共働したりしていければ、地域全体につながりがでてくると思っています。そして、NPO法人であろうとも、株式会社、一般社団法人、そして社会福祉法人などの団体であろうとも、ソーシャルビジネスが地域で認知されていくそんな社会になってほしいな、と思います。

 

 

と、ここまで書いて、ある方から素直な疑問をいただいたことを思い出しました。

 

「別に法人にしなくても、個人事業主でよかったんじゃねーの?」

「(え、それ言うか?)うん、まあ、法人にすると、社会的認知度も高いしさ・・・・」

「だって法人にすっと、法人税とかかかるじゃん。会計とか面倒くさいし。で、設立とかいろんな手続きあるでしょ。行政書士とか司法書士とか頼むと金かかるしさ。個人事業主から法人上がりでもいんじゃね?」

「(そうなんだ、そんなに手続き面倒なんだ。)・・・そうだね」

 

ということで、この面倒(だと思っていた)法人の設立手続きについては、また後で。

にたないでした。